6月13日にアメリカのRPAツール大手企業である「Automation Anywhere」が開催した「IMAGINE TOKYO 2019」で登壇したソフトバンクの孫社長が以下の発言をしている。
日本の労働生産性はRPA(ロボットによるプロセス自動化)とAI(人工知能)で上がる。人間は(生まれた余剰時間で)創造性を発揮できるだろう。これが日本復活のシナリオだ」
日本は人口が減っているため働き手が不足している状態である。
なので今後は生産性を向上させることが企業にとっても必要不可欠となります。
今回は日本復活の鍵となるRPAに関して以下の流れで説明いたします。
1.日本の現状
2.生産性を向上させるためには
3.RPAとは
4.RPAの事例
5.まとめ
この記事を読むことでRPAの概要、生産性をあげるためのコツを理解することができます。
また、RPAの事例も紹介しておりますので自社にマッチしそうなものがあれば今の段階からRPAに関する情報収集は初めておいてよいかもしれません。
1.日本の現状
昨今、日本は先進国の中でも生産性が低いことが指摘されています。
それは私自身、普段の仕事をする中で感じている部分もあります。
私は普段IT関係の提案をよく行っているのですが、何らかの稟議書をシステム化したいという要望なのに最終的にはハンコを押すために紙に出力したりします。
稟議書はすべてシステムでクローズしてハンコの代わりにシステムで決済または承認をとる仕組みを作った方が圧倒的に効率的です。
ですがなぜか日本企業は紙に出力すること、ハンコを押すことを重要視します。
紙で稟議を回すと以下のようなデメリットがあります。
・決済または承認する人のところへ紙を移動しなければならない
・決済または承認する人が不在の場合は稟議が進まない
・紙を保管するための場所が必要となる
上記のようなデメリットがあるため紙での稟議書運用は非効率で非常に生産性が低い仕組みです。
昔はまだITサービスや技術が進歩していなかったので紙での運用も致し方ないですが今では十分システム化できます。
実際、日本の労働生産性はOECD加盟国の中でも20位となっています。
非常に生産性は低いですよね?!
今後は人手不足になることは確実(というか既に人で不足)なので今のうちから生産性を高めることをしなければ諸外国とどんどん差を広げられてしまいます。
2.生産性を向上させるためには
生産性を向上させるためには今までの働き方を見直す必要があります。
私が考えている生産性を向上させることができる普段の働き方は以下です。
・出社と退社
・会議
・事務処理
出社と退社
日本の会社は基本的に働く場所を固定したがります。
そのおかけで朝や夕方のラッシュ時間帯にわざわざ出社、退社をするハメになっています。
東京、大阪などに済んでいて普段は電車を使っている方は1駅〜5駅とかの範囲で会社と自宅を往来していると思うので割と出勤時間は短いかもしれません。
ですが私は沖縄に済んでおります。
沖縄は車社会で普通の日でも出勤に1時間、雨が降ったりすると平気で1時間30分〜2時間かかったりします。
これが出社と退社ともにです。
1時間30分と仮定した場合
1時間30分(出社)+1時間30分(退社)=3時間
1日に3時間を移動で使ってしまいます。ましてや営業の方であれば日中の業務も車で客先に移動するので移動だけで大半の時間を使ってしまいます。なので移動時間を見直すことで大幅に生産性は向上できます。
会議
日本の会社は会議も多いです。
以下のブログでも書きました。
とくに以下が原因で生産性が低下しています。
・目的が決まっていない
・会議で決めなければいけないことが決まっていない
・参加者が多すぎる
・その場で決めないで持ち帰る
「他者より早く動いて結果を出す!【最速のスピード仕事術】」でも書きましたが上記のことを改善するだけで会議の生産性は飛躍的に向上します。
事務処理
事務処理でとくに生産性を下げていると感じているのが日報です。
とくに営業の方で毎日、日報を書くためだけに会社に戻る人です。これは非常にマズイです。
日報を外出先でも入力できるようにしておけば圧倒的に効率がよくなり、1日の生産性も向上します。
また、見積書や納品書、請求書の作成という事務処理にも多くの時間を費やしているのが現状だと思います。
見積書や納品書、請求書は基本的に同じ内容になりますが都度、その内容を転記して書いていたりします。
このあたりの事務処理を改善することで大幅に生産性が向上できます。
3.RPAとは
RPAは「Robotic Process Automation」の略で「あーるぴーえー」と呼びます。
RPAは何らかのルールエンジンやAI(人工知能)の機能を搭載したソフトウェアやサービスが人の代わりに処理を自動的に実行する仕組みのことを指します。
人口減により働き手不足、労働生産性が低い日本においてRPAが今後の大きな変革の人助けになるツールとして注目されています。
「2.生産性を向上させるためには」でも書きましたが事務処理は非常に多くの時間を費やしています。
なので事務処理に費やしている時間を減らすことで大幅に働き方が変わり、人間は本来やるべき仕事や創造性あふれる仕事に注力することができます。
4.RPAの事例
RPAは最近になりいろいろな企業で導入が進んでいます。
そこで現在利用されている事例をご紹介します。
紙帳票のデータ化
三井住友銀行では今までは紙帳票だったものをOCR+RPAを使いデータ化するための仕組みを構築しました。
今までは300万時間かかっていたものを自動化して1500人の余力を生み出すことを目標としているようです。
紙データの自動入力
生命保険会社での事例ですが、保険の申込情報を今までは人がシステムに入力していましたがRPAを利用することで自動的にシステムへの入力まで対応させた事例です。そのことにより1年あたり5万時間の効率化を実現できたそうです。
帳票の自動転送
今まではシステムで作成したPDFを人的に転送していたが、RPAを活用することで転送業務を自動化して生産性を向上させた事例です。その他にもRPAで自動化したものを含めると年間3万時間の削減が達成できたそうです。
5.まとめ
今回はRPAに関する記事をまとめました。
RPAではよく以下のような業務効率化を図ります。
・帳票発行業務
・経費精算
・データの突合
・報告書作成
上記のような業務に多くの人、時間、コストをかけている企業は改めて自動化できないか?という視点でRPA導入を検討してもよいと思います。今のうちから生産性向上をしておかなければ後から手遅れになります。
なのでぜひ、前向きに検討をしてください。