次世代型組織!「ティール組織」の書評

次世代型組織!「ティール組織」の書評

 

今の組織に限界を感じている。
階層型が組織が時代遅れ。
組織が成長できていない。

 

そう感じている経営者も多いと思います。
ですがそんな悩みが解決するかもしれません。
今回、紹介するのは2018年に発行されて非常に話題になった書籍です。

「聞いたことがある」という方も多いと思います。
それぐらい話題になった書籍です。

この書籍では次世代型組織が紹介されています。

 

ちなみにサイボウズという会社をご存知ですか?
IT業界では非常に有名な会社です。

サイボウズは個人個人に合った働き方を推奨している企業です。
なので雇用契約も個人個人によって異なると聞いたことがあります。
かなり日本では珍しいタイプの企業です。

そんなサイボウズですが過去には離職率28%だったそうです。
ですが今では4%まで下がっています。

離職率が下がる=社員が働きやすい環境

と推測することができます。
そんなサイボウズの代表が青野さんです。

青野さんも「ティール組織」に魅せられた経営者の一人です。
実際にサイボウズでもティール組織の考え方を取り入れているようです。

 

参考 「ティール組織」の次に来るのは、「〇〇組織」ではない(サイボウズ・青野慶久さんインタビュー)英治出版オンライン

 

次世代型組織の形「ティール組織」を理解することができます。
いきなりすべてを会社に適用することは難しいです。

ですが部分的にティール組織の考え方を導入することは可能なはずです。
そうすることでより社員の働きやすい環境作りを進められると思います。


企業と経営者

経営者は日々考え努力して改善をしなければいけません。
改善ができず古い体質のままだと衰退していくのみ。

これは経営している方の共通認識だと思います。
だから新事業や新商品を日々生み出しているはずです。

時代は進みインフラ、需要、お客様は変化します。
また、社員の考え方や価値観も変化します。

周りは変化しているのに自社は変わらない。
そうなると衰退しか道はありません。
ダーウィンの名言にもあります。

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。

また、東洋経済やPHPでも以下の記事が紹介されています。

参考 「衰退する企業、しない企業」の決定的な違い東洋経済ONLINE 参考 メルカリCOOのひと言が気づかせてくれた「成長企業と衰退企業の差」PHPONLINE

変化できないと企業や経営者としては衰退していくだけです。
だから日々改善をしなければいけません。

シャープや日立などが悪い例ではないかと思います。

なので企業や経営者は日々改善が必要です。

・社員
・パートナー企業
・お客様

ステークホルダーの変化へ対応していくことが求められます。
その中でもまずは働いている社員が一番だと思います。
社員がよりよい環境で働けるようにしなければいけません。

そこで「ティール組織」がよいアイデアを生み出すキッカケになるかもしれません。

ティール組織とは?

ティール組織を読んで私なりに解釈した内容は以下です。

マイクロマネジメント不要で一人一人が
しっかりとセルフマネジメントを行い
目標に向かいながら創意工夫できる組織

本書には5つの組織モデルが書かれています。
これは人類が誕生してからこれまでの組織の進化を表しています。

その5つ目が「ティール組織」です。
まずは過去の組織から紹介します。

衝動型パラダイム(レッド組織)

世界は危険で力強さとたくましさが必要。力こそすべて。
他社より強ければ自分の欲求を満たすことができる。

このような考え方が「レッド組織」です。
現代のギャングやマフィアに見られる組織。

圧倒的な力を示し、長に君臨する。
メンバーを服従させる支配的な組織です。
メンバーは長の圧倒的な力で安心感を得ます。
恐怖と服従で組織を維持しています。
また、「今」に軸を置いているため計画や戦略は得意ではない。

順応型パラダイム(アンバー組織)

他者の感情や気持ちを理解できるようになる。
属している組織や社会を中心とする視点が強くなる。

このような考え方が「アンバー組織」です。
現代の軍隊、教会、公立学校に見られる組織。

階層型で指示命令がはっきりしています。
階層型にすることでレッドより特定個人への依存を下げています。
規則や倫理観を大事にするようになります。
時間軸はレッドよりも長いため計画や戦略を立てることができます。

達成型パラダイム(オレンジ組織)

属している組織や社会中心ではなく世界中心の視点が強くなります。
より効果や有効性が高いものを追求します。

このような考え方が「オレンジ組織」です。
現代の世界展開している企業に見られる組織。

アンバーのように階層型は維持します。
ですが成果を上げた人は評価され、出世する実力主義になります。
また、変化を歓迎し競争するためイノベーションが生まれやすいです。
さらに株主への説明責任などから目標管理は当たり前になります。
常に変化と競争にさらされます。
なので「人間の幸せ」を考えたり原点回帰する機会もでてきます。

多元型パラダイム(グリーン組織)

達成型パラダイムへの反発から生まれた考え方です。
仕事の成果よりも人間関係を重視します。
権力の不平等や役職の階層も不要という考えです。

このような考え方が「グリーン組織」です。
現代のサウスウエスト航空のような組織。

参考 サウスウエスト航空「個々人の矜持とカンパニースピリットをもってサービスを提供する」GLOBIS知見録

階層は持ちつつも個の多様性が認められ、主体性が発揮されます。
意思決定も現場に任せ、リーダーは寄り添いメンバーを支援する。
また、文化や価値観も共有され風通しがよい組織です。
結果としてエンゲージメントも高まります。

進化型パラダイム(ティール組織)

冒頭にも書きましたがティール組織を表すと以下です。

マイクロマネジメント不要で一人一人が
しっかりとセルフマネジメントを行い
目標に向かいながら創意工夫できる組織

これはあくまで私が読んで解釈した内容です。
他の方はまた違った視点を持たれているかもしれません。

進化型パラダイムでは論理と感情のどちらかではありません。
どちらも大事にしています。
あらゆる場面でそのどちらか大事な方を選択できるのが特徴です。

また、本書では以下3つのブレークスルーが紹介されています。

・自主経営
・全体性
・存在目的

まとめ

今回は「ティール組織」を紹介しました。
読んだ感想は以下です。

・いきなりティール組織を導入するのは無茶
・社員教育がまず重要
・一部、考え方を導入することは可能
・一部署で試してみるのは面白そう

また、ティール組織のような考え方のベースは個だと思います。
なので個々が「セルフマネジメント」する必要があります。
でなければ組織として破綻すると感じました。

ぜひ、組織改革を考えている方などにはオススメです。
思考の「メンテナンス」ができます。